2014年 9月号 記事 3面
  • アベノミクスと消費税を考える前に。基本的なことを確認したいと思う。
    まず「アベノミクス第一の矢」大胆な金融緩和によって、株価は倍増し「第二の矢」の財政出動で、今年の3月までは景気は上向き、去年に経営者に対するアンケートで「2014年の景気は明るい」と言う結果が多数だった。
    しかしこの第一の矢と第二の矢は、成功だったであろうが、大事なのは「第三の矢の成長戦略」だ。その第三の矢が始まろうとした時に、消費税の3%UPを今年の4月に行ってしまった。その為今年の4−6月期の実質GDP成長率はー6.8%と、東日本大震災時並みの落ち込みになっている。特に個人消費はー19.2% 輸入は-20.5% 住宅投資に至っては-35.3%の落ち込みである。
    民主党政権時に、民主党・自民党・公明党の3等合意で法律で決めたとはいえ、このGDPの落ち込みは、せっかくデフレ脱却目前だったと思われる状況を、またデフレスパイラルに戻しかねない。この消費税UPによって、日本のGDPの6割をしめる個人消費が落ち込めば、税率をUPして税収が落ち込むという事になりかねない。そんなことになったらいったい誰が得をするのだろうか。「財政再建」の為の消費税UPのはずが、国民も苦しみ、税収が減ってしまったら何も意味もない愚作である。
    ちなみに小泉政権下で2002年〜2007年の5年間の間に消費税UPもせず、毎年28兆円の赤字額が6兆円まで下がった。これは歳出をカットする等ではなく、毎年日本経済を成長させ、税収を伸ばしたからだ。またこの5年間は平均1ドル120円程度で、毎年輸出が10%伸び続けた。
      民主党政権下では、世界各国が金融緩和をする中、日本だけが取り残され一時は1ドル=75円台までに円高になってしまった。ここからの四年間で、日本企業は海外に流失せざるを得なくなり、軒並み日本の空洞化が起こってしまった。
      安倍総理大臣は今年の6月24日の会見で「安倍内閣の成長戦略にタブーも聖域もない。あるのはただ一つどこまでもやり抜く強い意思である。」また「日本経済が持つありとあらゆる可能性を開花させる。そのためにはいかなる壁も打ち破っていく」と発言している。
      おそらくこの消費税増税がなければ、アベノミクスはもっと順調にいったかもしれない。しかし前述の三党合意で、今年の4月に諸費税増税を決めてしまっていた。これには「景気弾力条項」と言うものが付随していて、最終的には、「時の総理大臣が決定する」と言うことになっていた。
      安倍総理大臣は本心では、今年の4月の増税は後ろ向きに考えていたと思われる。しかし、他の自民党議員のほとんどは、増税派である。安倍総理は政治の舵取りの中で、ポリタルキャピタル(政治的資源、または力量)が、法律で決まっている消費税増税を取りやめる、新しい法律作りをして国会を通す迄の力と余裕がなかった。したがってこの消費増税は経済政策としてはともかく、政治的判断としてはいたし方なかったのかもしれない。
      消費税は8%になってしまった。今嘆いても仕方ない。来年の10月消費税10%の増税を取りやめるのも困難であろう。ではアベノミクスはどうやって景気回復するのか?最後まで「アベノミクス」を完遂し景気を押し上げられるのだろうか?もし失敗すれば日本が立ち直るには相当な時間がかかると思われる。政権基盤の固い現在の安倍政権が長期政権、安定政権になる事が予想されるだけに、期待する国民も多いと思われる。

初めての方へ 記事をご覧になる前に是非一度、ご一読下さい。

2014年9月
特 集 一 覧

過去の特集記事


連絡先


Banner Ads