2014年 10月号 記事 1面


  •  2011年 3.11の東日本大震災から早くも三年半の月日が流れた。福島第一原子力発電所は未だに、危険な状況から脱するどころかその目処も立っていない。付近の住民は自宅に帰るどころか、近寄ることもできずにただ三年半の間、その動向を見守っている状況だ。一度事故を起こせばこれほどまでに多大な被害をもたらす原子力発電所。
    しかし世界では次々と原子力発電所の建設が計画されている。当時ソ連のチェルノブイリ、アメリカのスリーマイル島、そして日本の福島第一原発の事故の悲惨さを知って、何故世界各国は原子力発電所に依存しようとするのだろうか?
    そのリスクに見合うメリットが無ければ、世界各国だけでなく日本の原子力発電所が今再稼動へと動いている意味がわからない。福島県民の方々のご心痛は理解した上で、客観的に原子力発電所を考えてみたいと思う。

    政治の目的は安心、安全と繁栄である。当たり前の事であるが、安心と安全が必ずしも両立しないというのが、今月号のポイントなので、読み進める上で覚えておいて欲しい。
    安心安全と繁栄。その全てに電力が必要とされている。普段は意識していないが、警察や消防への連絡はもちろん、その省庁自体も電気がなければ機能しない。また自衛隊も電気が不可欠であるし、ガス、水道も電気がなければ、供給できない。
    東日本大震災前に原子力発電所は発電の約30%を担っていた。現在は全ての原子力発電所が運転停止している。しかし今現在停電せず電力が供給されているのだから、原発はいらないと単純に思っていいのだろうか?
    今、私たちがこの瞬間に使っている電気は、今この瞬間に発電されている。蓄電技術が十分でない今、常にその瞬間に使用される電力の状況を、確認しまた次の瞬間にどのくらい使われるかを、予想し電力会社は発電している。停電は電力不足に陥ったときに、電力が足りない分だけの地域に起こるものではない。少しでも電力不足になれば、その瞬間大規模停電に陥ってしまう。だから常にその瞬間に使われる電力より多めに発電している。その幅が多ければ安定して供給できるわけだが、余分に発電すればそれだけ無駄になる。日本の電力会社は知識と経験の蓄積で神業のような僅かなロスで電力を供給している。電車のダイヤの組み方等も1分単位であったり、この様な技術は日本は世界一と言って良いだろう。
    しかしその電力の現在の供給予備率は3%程度である。関西電力にいたっては1.5%である。現在は東京電力から電力を融通してもらっているので、関西電力は、かろうじて3%を保っている。供給予備率とは簡単に言うと、あとどの位発電する余裕があるか?と考えて欲しい。この3%と言うのは、非常に危険な水準である。東日本大震災前の供給予備率は約15%であった。その3%を維持する事もかなりの無理をして維持しているのが現状だ。
    建設して40年以上の火力発電所を稼動させたり、石炭火力発電所を稼動させたりと、効率の悪い発電所を無理に活動させてやっと維持している状況である。
    また、その為に原油や液化天然ガスを年間三兆円以上も追加輸入している。これは紛れもなく、国民の所得が海外に流失していると言う事である。(※9月号4面参照)
      また北海道電力は緊急追加増資をしたが、2013年度と同じ赤字を今期も計上したら、債務超過に陥ってしまう。そうなってしまったら送電線の整備等も出来ずに大規模停電に陥りかねない。
      原子力発電を一機止めると電力会社は約800億円〜900億円の損失になる。北海道泊原発1号機〜3号機が、全く稼動していないので、北海道電力は年間2,500億円〜2,700億円の損失を計上することになる。
      もちろん北海道電力だけでなく、原子力発電所をもつ電力会社全てに同じ事が言える。再生可能エネルギーの期待が大きいが、発電は最大発電量よりも最低発電量が大事である。いくら「何万Kw発電できますよ」と言っても、その数字が最大や平均値であっては、安定供給できない。「最低でも何万Kw発電しますよ」の合計が、今この瞬間に使われる電力使用量をまかなえなければ、安定供給する事は出来ない。その意味では、太陽光発電や風力発電は、天候によって左右されるので全くあてにできない。
     また再生可能エネルギー固定価格買取制度が、最近になって、問題化してきている。10月15日には経済産業省は「再生可能エネルギー固定価格買取制度の見直し」の検討を始めた。2011年度の水力を除く再生可能エネルギーによる発電は、発電電力量の僅か1.4%に過ぎない。2012年の7月に再生可能エネルギー固定価格買取制度が政府主導で始まった。この為電力会社は、太陽光発電をする起業などに、高い金額(40円+税金/1Kw)で電力を強制的に、長期間買い取らされることになっている。これは国民にとって大きな問題である。なぜならこの事業のため庶民は「省エネ賦課金」言う名目で、一般家庭の平均で月に225円を払わされている。1.4%で225円である。単純計算で、これが30%になったら、毎月電気料金の他に、4,800円超の賦課金を課せられることになる。これは早急に対処しないと大変な事になる。よくドイツが比較され、まるで再生可能エネルギー固定価格買取制度の成功国のように報じられているが、これは全くの間違いで、いまドイツではこの制度を維持するために、「省エネ賦課金」わ国民一人当たり年間4万円払っている。このまま進めれば、日本も同じ様に高い賦課金を払わされることは間違いない。
    詳しくは別の機会に特集でおおくりしたいと思っている。
      また再生可能エネルギー固定価格買取制度が、最近になって、やっと問題化してきている。これは国民にとって大きな問題になりかねない大問題であるので、詳しくは別の機会に特集でおおくりしたいと思っている。
      これほどまでに反対されている原子力発電所。その反対理由は事故を起こした時の悲惨さである。しかし今現在も核燃料棒は、各原子力発電所に冷却保存されている。実際には原子力発電所を再稼動してもしなくても、その危険性はあまり変わらないのである。

初めての方へ 記事をご覧になる前に是非一度、ご一読下さい。

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