2014年 11月号 記事 1面


  •  10月14日火曜日ニューヨークで行われた国連安全保障理事会で、国連エボラ緊急対策支援団のバンベリー代表は「我々はこれまで経験した事のない事態に直面するでしょう」と発言した。また「エボラ出血熱は急速に拡大し私たちはそのスピードに追いつけず負けようとしている」との衝撃の発言もしている。

    WHO世界保健機関 ジュネーブ本部

    WHO(世界保健機関)は10月31日、西アフリカで大流行しているエボラ出血熱対策について「封じ込めるにはたくさんの要員が必要。だが、要員確保がとても難しい」と現状を発表した。現在9,200人が感染し4,555人が死亡している。
      世界銀行のジム・ヨン・キム総裁は2015年間までの2年間で西アフリカだけで、326億ドルの経済損失が予想されるとしている。感染症の拡大は安全を脅かすと同時に経済にも、大打撃を与える。2,002年にSARSが感染拡大した時は、30カ国で感染者8,096人死者774人に及んだが、このときの世界の経済損失は約400億ドルといわれている。このエボラ出血熱が世界的に感染したら、どれほどの世界的経済悪化を招くのか、想像もつかない。世界恐慌も視野に入れるべき、恐ろしい事態になる事は想像に難くない。
      WHOは、現地で必要な人材について「医療従事者だけではなく、データを扱う要員、流行の監視を補助する要員、輸送を担う人などすべてに及ぶ」と指摘。「エボラ出血熱の大流行がより拡大するにつれて要員を確保しにくくなることを当初心配していたが、それが現実になってしまった」としている。また10月31日、エボラ出血熱について、疑い例も含む感染者数が1万3567人、死者数が4951人になったと発表している。4月の時点で、封じ込めにかかる期間の目安として「4カ月」という数字を挙げていたが、いまも感染の拡大が止まらない状況だ。このことについて、「状況の評価は常に変わる。なぜなら、感染症の大流行では多くの予期できないことがあるからだ」と説明した。
     
      こんな状況にも関わらず、一時は大手マスコミもこのエボラ出血熱を連日のように報道していたが、ここ最近は関心が薄れてきてしまっている。もちろん関係機関の危機感は変わらず続いているが、一般庶民の関心が薄れて来てしまう事は危険である。「握手しただけでも感染する」といわれている、エボラ出血熱。このままでいいのだろうか?また政府は日本国内で感染拡大した時の、予防策を十分に取れているだろうか?
     
    今年の夏に「デング熱」が半世紀ぶりに、日本での感染が確認された。代々木公園の蚊を媒体として感染したとされているが、当初政府は「広範囲に感染がおよぶ事は考えにくい」と発表していた。しかし、代々木公園付近での催し物に地方から上京してきた人々に感染し、その患者は日本各地に広まっていった。その後代々木公園等を閉鎖し殺虫剤の散布等、後手後手に回り感染者を増やしていった。デング熱はヒトスジシマカによっての感染だった為、夏の終わりとともに収束していった。また日本のような先進医療の国では、致命傷になる事はまずなく、致死率は1%以下といわれている。

     しかしエボラ出血熱の致死率は70〜80%といわれている。しかも初期の症状はインフルエンザのような症状で、次第に悪化していくと皮膚や粘膜から出血し、死に至る病気である。いま世界のどこでも主要都市なら24時間以内で移動できてしまう。感染者が、感染直後に飛行機で日本に入国してきたら、見つけようがない。そのまま野放しに入国して日本国内を転々とされたら、感染はあっという間に広がり、手のつけようがなくなってしまう。
      少なくとも、このエボラ出血熱に関しては、今夏のような後手に回るような行政では日本は致命的な大打撃となってしまう。

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2014年11月
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