2014年 11月号 記事 3面
  •  感染症で怖いのは何もエボラ出血熱だけではない。日本では話題先行型の情報が多く正確に、各感染症の怖さが伝えられていない様に思える。本当に怖い感染症を6つ上げてみたので、正確な情報を元に確りと意味のある恐怖心を持って頂きたい。

    ●エボラ出血熱
     このウィルスは大きさが80 ? 800nmの細長いウィルスで、ひも状、U字型、ぜんまい型など形は多種多様である。このウィルスを一種類と思っている人も多いが、数種類発見されていて、それぞれ毒性に幅があり、致死率も高いものから、比較的低いものもあるが、低いといっても現状では致死率30%と、他の感染症と比べて非常に致死率の高いウィルスである。
      初めてこのウィルスが発見されたのは1976年6月に南スーダンの男性が消化器や鼻から激しく出血して死亡した。この男性の出身地に流れるエボラ川から、このウィルスはエボラウィルスと名づけられ、病名もその症状からエボラ出血熱とされた。
      現地のコウモリが自然宿主と言われており、食用コウモリからの感染が確認されている。このウィルスは、患者の血液、分泌物、排泄物や唾液などからの飛沫感染である。患者およびその体液への濃厚な接触は問題であり、死亡した患者の遺体への接触からも感染する。このウィルスの感染力は強いものの、基本的に空気感染はなく、感染者の体液や血液に触れなければ感染しないと考えられている。これまでに見られた感染拡大も、死亡した患者の会葬の際や医療器具の不足(注射器や手袋など)により、患者の血液や体液に触れたことによりもたらされたものが多く、空気感染は基本的にない。患者の隔離に関する措置が十分に行われていれば感染することはない。

    ●ノロウィルス
     このウィルス強力な感染力を持っている。症状は食中毒症状では致死率は低い。しかし東京のあるホテルで実際にあった事だが、ノロウィルスに感染した人が、ホテルの廊下で嘔吐した。ホテルは迅速に通常の清掃措置をとったにも関わらず、その後一週間にわたり、その廊下を歩いて通過した人々が、次々に感染してしまった。このウィルスは塩素等で徹底して消毒をしなければ死滅しない。家庭内で誰かが感染して嘔吐などしたら、全員感染する恐れが高いので、すぐに病院で検査したほうが良い。

    ●エイズ
     HIVウィルスによる後天性免疫不全症候群の事で、起源はカメルーンのチンパンジーと言う説が有力である。1981年に世界で始めて感染者が確認され、以後33年間研究されているが、いまだ有効なワクチンは存在しない。理由はHIVウィルスは約一秒の間に12回も変異するからで、この性質から、今後も有効なワクチンの製造は難しいと思われる。
    感染経路はSEXや母子感染もあるが、アメリカで広まった原因は麻薬常用者の注射のまわし打ちによる血液感染が原因といわれている。日本では血友病患者に非加熱血液製剤を使用した事で感染者が続出し、大問題になった事で有名である。
    潜伏期間は10年と長く、発症まで自覚症状がないため、無意識に他人に移してしまうことが多い。今では発症前に適切な治療を行えば、致死率は1%といわれるまで、医学は進歩している。自分の為にも、大切な人の為にも、一度は検査をするべきである。

    ●狂犬病
     狂犬病ウィルスを病原体とする全ての哺乳類共通の感染症で、毎年世界中で約5万人の死者を出している。唾液等から感染する。ワクチン治療は確立されているが、ワクチンを受けず一度発症してしまったら、致死率はほぼ100%である。最も致死率の高い病気である事を日本人はあまり知らない。
    狂犬病と言う名前から、犬に対しては徹底してワクチン接種を義務付け気をつけているが、全ての哺乳類から感染する事を忘れてはならない。
    日本国内では現在撲滅に成功しているが、海外ではまだ多くの感染者を出しており、海外で犬に限らず、哺乳類にかまれたら必ず病院に行ったほうが良い。

    ●インフルエンザ
     近頃、鳥インフルエンザ等が話題になり「パンデミック」と言う言葉が、言われるようになった。これは1918年の第一次世界大戦時に全世界で流行し、感染者6億人死亡者5,000万人とも言われる大被害を思い起こさせる、世界的大感染の事である。しかし鳥インフルエンザは現在のところ、人から人への感染は確認されていないが、一度感染すれば、致死率20%と言うことから、恐れられている。
    しかし、毎年流行しているインフルエンザを皆、軽視しすぎているのではないだろうか?致死率だけで言えば低いが、毎年1,000万人が感染し、肺炎の併発等も入れると、毎年約1万人が死亡している。致死率が低いからあまり話題にならないが、例えば、もしエボラ出血熱が日本に上陸して、死者1万人を出したらどうなるだろうか?間違いなく日本中大パニックに陥るだろう。
    毎年東日本大震災級の被害を出しているインフルエンザ。健康な大人は凌げるかもしれないが、幼児やお年寄りには恐怖の感染症だ。自分が大丈夫だからといって、インフルエンザに感染したまま、気軽に外出する行為は、殺人的行為である事を自覚してもらいたい。また数千円で予防接種できるのだから、出来るだけするように心掛けるべきである。

    ●天然痘
     天然痘は、天然痘ウィルスを病原体とする感染症で、非常に強い感染力を持ち、全身に膿疱を生ずる。仮に治癒しても瘢痕(はんこん)を残すことから、世界中で不治の病、悪魔の病気と恐れられてきた代表的な感染症であり、致死率は40%と言われている。しかし世界で初めて撲滅に成功した感染症でもある。潜伏期間は一週間から二週間位で、初期症状は高熱、頭痛、腰痛等である。その後膿疱は内臓、肺にも現われ呼吸困難から死に至る。
    天然痘ウイルスの感染力は非常に強く、患者のかさぶたでも1年以上も感染させる力を持続する。天然痘の予防は種痘が唯一の方法であるが、種痘の有効期間は5年から10年程度である。何度も種痘を受けた者が天然痘に罹患した場合、仮痘(仮性天然痘)と言って、症状がごく軽く瘢痕も残らないものになるが、その場合でも他者に感染させる恐れがある。

初めての方へ 記事をご覧になる前に是非一度、ご一読下さい。

2014年11月
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