2015年 1月号 記事 1面


  •  「イスラム国」というのは、過激派組織の自称であり国ではない。国とは「領土、国民、主権」から成り立つというのが国際的な常識であり、国連加盟国である「シリア・イラク」の領土を武力で占領している「イスラム国」は国際的に“国”として認められない。

    ISIL戦闘員

     また常識的にも、占領している地域の市民を奴隷にしたり、虐殺したり、他国民を拉致し、身代金を要求するような「人質ビジネス」「人身売買ビジネス(奴隷ビジネス)」をしている様な組織を国として認められないし、後述する様に領土を武力で拡大する、つまり武力侵略を宣言している組織を、国際社会は国として認める訳にはいかない。

    ISILの非人道的行為

     したがって「イスラム国」と日本では一般的に呼ばれているが、本来その呼称を使うべきではない。諸外国や米国のオバマ大統領等は ISIL (アラビア語名を訳した「イラクとレバントのイスラム国(Islamic State In Iraq And The Levant)」の頭文字をつなげたもの)と呼んでいる。それでもIslamic Stateと言う表現は、「イスラム国」と読み取れるので本来不適切だ。「イスラム過激組織○○○ 」等とするのが妥当だと思うが、一般的な呼称でないと、何を指しているか読者には解らないと思うので、以下当サイトではいわゆるイスラム国をISILと称する。

    アブ・バクル・アル・バグダディ容疑者

    また、 ISIL の最高指導者と言われている「アブ・バクル・アル・バグダディ容疑者」は本名ではなく、本名はイブラヒーム・アッワード・イブラヒーム・アリー・アル・バドリー・アル・サマッライ( Ibrahim Awwad Ibrahim Ali Al-Badri Al-Samarrai )である。

    アブ・バクル・アル・バグダディと言うのは「イラク生まれのカリフ」という意味で、「カリフ」とは、イスラム教の宗祖である、「ムハンマドの最初の後継者」名前である。

    松本 智津夫(まつもと ちづお)死刑囚

    これもアブ・バクル・アル・バグダディと呼ぶのは、オウム真理教の松本 智津夫(まつもと ちづお)死刑囚を麻原彰晃と呼ぶのと同じ事であり、ましてやカリフと思わせる事で、世界中の若者たちに誤解を生ませる助長をする事になるので、本来本名で呼ぶべきである。

    しかしTVなどで報道されている呼称は「アブ・バクル・アル・バグダディ容疑者」で本名で表記してしまうと、わからない読者が大半だと思うので、こちらも遺憾ながら以下アブ・バクル・アル・バグダディと表記する。

    アブ・バクル・アル・バグダディ容疑者は 2014 年 6 月 29 日に首都をラッカにしたカリフ制の「 Islamic State ( イスラム国 ) 」の樹立を宣言した。この「アルカイダですら手におえないと言わしめた」とされる、ISILは元々はイラクのアルカイダ組織の一員から成り立ち、その起源は 2003 年 3 月 19 日のアメリカによるイラク戦争まで遡らなければ、理解しづらい事だ。⇒詳しくは 3 面をご覧下さい。

    また成り立ちもアメリカに起源するが、その後のISILの拡大にもアメリカの影響は大きい。イラク戦争が「イラクの大量破壊兵器保有」と言う、間違い?から始まっただけでなく、その後の内戦状態は、戦争は終わっても戦闘は終わらないと言う惨劇を生み出した。

    イラク戦争

    当時アメリカ政府は第二次世界大戦の敗戦国“日本の成功例”を引き合いに出し、「イラクも日本のようにする。」と言っていた。

    昭和20年8月15日 終戦を告げる玉音放送を聴く日本人

    しかし日本には「天皇陛下」が存在し、あの有名な「玉音放送」と言う勅令があり、日本国民は天皇陛下の玉音に耳を傾ける国民性があったからこそ、終戦と言う「戦争も戦闘」も終わりを告げたのである。

    イラクのように他民族で宗教色や民族意識が高い国では簡単に国を一つにまとめる事は難しい。サダム・フセインを擁護しているわけではない。「アラブの春」等と呼ばれ、アラブ各国が民主化一色に染まるかの様に騒がれてから久しくない。しかしどの国もかえって混乱を招き内戦が収まらない。サダム・フセインの行いの善し悪しは別にして、そのくらいの強権政治でなければ、他民族で宗教間争いの激しい国を統治する事は難しい事が証明されたかのようだ。

    「民主主義が何よりの価値」のように言われるが、ウクライナでは民主的に大統領選挙によって選ばれたヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領をクーデターで国外に追放している。

    ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領

    これにも影でアメリカが関わっていると言われ、アメリカの在ウクライナ大使とアメリカ本国との電話で「ウクライナの次の首相は○○にしよう」と話している事が盗聴、暴露された。

    ISILの現状とアメリカの関係を理解しておかないと、今後起きる中東やロシアとウクライナの危機、そこから波及しかねないヨーロッパ危機を理解する事は出来ない。

    集団的自衛権を行使する方向にある(詳しくは当サイト 7 月の特集をご覧下さい)日本も“対岸の火事”では居られなくなりかねないので、是非このISILを知っておいて頂きたい。

初めての方へ 記事をご覧になる前に是非一度、ご一読下さい。

2015年1月
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