2015年 2月号 記事 2面
  • ISIL人質事件経緯

    2014 年
    8 月 16 日
    日本人(湯川氏)がISILに拘束されたと言う情報を基に、ヨルダンの首都アンマンに現地対策本部を設置。
    17 日
    首相官邸に情報連絡室を外務省に対策室設置。
    18 日
    湯川遥菜氏がシリアでISILに拘束された事が、動画サイトに投稿される。

    10 月末頃 後藤健二さんが湯川遥菜氏の救出の為、シリアに向かい行方不明になる 。

    11 月 1 日
    後藤さんトルコの知人に電話連絡。  

    ISILと思われる者から、後藤健二さんの御家族に身代金の要求のメールが届く。 後藤健二さんの御家族が外務省に、メールの内容を報告。

    2015 年
    1 月 17 日
    安倍総理がエジプトで2億ドルの人道支援を表明。いわゆる「カイロ演説」
    20 日
    ISILが日本政府に対して「 72 時間以内に 2 億ドルを身代金として支払え」と、湯川遥菜氏と後藤健二さんの映像と共に要求する内容の動画を投稿。
    同日
    安倍総理はイスラエルでこの人質事件について「人命第一に考え各国の協力も得ながら、情報収集にあたっている」「国際社会は決してテロには屈してはならないと考えている」と声明を発表。
    同日
    安倍総理の中東歴訪に同行していた、中山外務副大臣をヨルダンの首都アンマンにある日本大使館に現地対策本部長として派遣。
    23 日
    後藤健二さんの母親、石堂順子さんが東京都内で記者会見。
    24 日
    日本政府が湯川遥菜氏と見られる遺体の写真を持つ、後藤さんの映像を確認。
    25 日頃〜
    ISILが後藤さんの映像を動画サイトに投稿し、ヨルダンで死刑判決を受け収監中のサジダ・リシャウィ死刑囚の 24 時間以内の釈放を要求。
    29 日

    ISILが後藤健二さんの映像を配信、サジダ・リシャウィ死刑囚のトルコ国境への移送要求。

    2 月1日
    日本政府がISILが後藤健二さんを殺害したとみられる映像を確認。
    同日
    後藤さんの妻が  「紛争地域の窮状を伝えた夫を誇りに思う」と声明を発表。

    安倍総理エジプト訪問 
    日本・エジプト共同声明(全文・外務省)
     

    1.アブドルファッターハ・エルシーシ・エジプト・アラブ共和国大統領の寛大な招待を受け,安倍晋三日本国総理大臣は 2015 年 1 月 16 日と 17 日,エジプトを公式訪問した。

    2.エルシーシ大統領は安倍総理の訪問を歓迎し,今回の訪問が歴史的な友好関係におけるランドマークになることへの希望を表明した。安倍総理は,あらゆる分野においてエジプトとの協力を深化させていく意思を確認した。

    3.安倍総理は,中東情勢を想起し,平和を希求する地域の全ての人々に強い連帯を示しつつ,エジプトがこれまで行ってきた地域の平和と安定のための努力を高く評価した。安倍総理は,中東地域の平和と繁栄のためにエジプトの果たす役割が死活的に重要であることを指摘した。安倍総理は,エジプトを強く支援し,共に歩んでいく日本の意思を再確認した。

    4.両首脳は,両国の歴史的友好関係を更に強化し,両国の戦略的関係を更に発展させ,地域及び国際社会の平和と安定を促進するための協力を継続し,両国の政府間及びビジネス界の協力を強化していくことを改めて確認した。

    5.両首脳は,二国間関係を更に強化するため,継続的な要人往来の必要性を再確認した。安倍総理は,エルシーシ大統領に対し,改めて訪日招待を行った。エルシーシ大統領はこの寛大な招待を受け,近い将来日本を訪問することを楽しみにしているとした。

    6.両首脳は,両国間で地域・国際情勢を協議する政治・安全保障対話を更に強化していく意思を改めて表明した。また,両首脳は,両国の研究機関間での対話と協力を促進していくことを決定した。

    7.安倍総理は,エジプトが議会選挙の実施によりロードマップの履行を完了することを引き続き支援していくことを再確認し,エジプトの経済成長及び産業発展とともに,貧困対策,保健医療,教育,職業訓練等の取組を賞賛した。

    8.安倍総理は,エジプトにおける経済改革と回復が進展することへの確信を表明した。また,必要とされる経済社会改革に向け現在エジプト政府がとっている措置を評価した。エジプトは,インフラ開発を含めた経済開発の野心的な計画を実施しており,両国は,両国のビジネス界が相互間の通商及び投資を拡大して協力を強化していくとの好ましい見通しを強調した。日本は 2015 年 3 月 13 日から 15 日にかけ開催されるエジプト経済開発会議を期待する。

    二国間関係

    9.両首脳は,経済関係の更なる発展が日本とエジプトの間のパートナーシップ強化への主要な原動力となるという認識を改めて表明した。両首脳は, 2015 年 1 月 17 日に第 9 回日エジプト経済合同委員会が成功裏に開催されたことを歓迎するとともに,日・エジプト経済作業部会の開催を通じて経済・投資分野での関係強化について更に協議することが,両国間のビジネス上の一層の強化に貢献することを確認した。エルシーシ大統領は,スエズ運河地域開発計画や電力エネルギー分野等のエジプトの国家的プロジェクトに日本企業が参画することへの期待を表明した。安倍総理は,日本政府としても,政府開発援助( ODA )のみならず,国際協力銀行( JBIC )による融資や日本貿易保険( NEXI )による貿易保険等を通じて日本企業の進出を後押ししていく意思を確認した。

    10.安倍総理は,配電システム高度化計画( 247 億 6200 万円),ボルグ・エル・アラブ国際空港拡張計画( 182 億円)に対し,新規円借款を供与する方針を表明した。エルシーシ大統領は,両国間のオペラハウス,日エジプト友好橋,カイロ大学小児科病院等,長年にわたる日本の政府開発援助( ODA )に謝意を表明するとともに,今回表明された支援を日本とエジプトとの関係の新たな 1 ページを開くものとして高く評価した。

    11.安倍総理は,円借款によるダイルート堰群の新設事業による灌漑施設整備や,技術協力による上エジプト地域における農家所得向上のための支援等の協力を進めていく方針を伝えた。

    12.エルシーシ大統領は,運輸部門における日本の支援を評価した。両首脳は,カイロ交通渋滞の緩和に加え,観光促進の観点からも重要である地下鉄 4 号線第一期整備計画の着実な実施のために緊密に協力していくことを決意した。

    13.両首脳は,大エジプト博物館建設計画は両国間の友好協力関係を象徴するものであることを認識した。両首脳は,計画を早期に完成させる意思を確認し,この目的のため合同委員会を立ち上げることで一致した。

    14.エルシーシ大統領は,ハルガダ太陽光発電所建設を始めとする再生可能エネルギー分野や,石炭火力発電所建設を含む電力分野において,日本が世界最高水準の日本の技術を活用する形で協力の可能性を検討する意思があることを歓迎した。

    15.両首脳は,日本企業とも連携しつつ,職業技術教育・訓練の向上のための協力を推進していくことを改めて表明した。

    16.両首脳は,経済成長と発展を推し進める上での観光の重要性に留意した。安倍総理は,エジプト航空による日本への直行便再開の決定を歓迎した。安倍総理は,日本の人々がエジプトの古代遺産に特別な憧れを抱いていることを強調した。

    17.エルシーシ大統領は,エジプトの若者の能力向上のため優れた機会を提供し,エジプトにおける日本の投資促進に寄与する安倍イニシアティブ(若者のためのアフリカ・ビジネス教育イニシアティブ)を歓迎した。両首脳は,エジプト日本科学技術大学( E-JUST )への支援を継続し,同大学を,エジプト,アフリカ及び中東全体の科学技術研究・教育の拠点にしていく決意を表明した。また,両首脳は,エジプト政府による大学のキャンパス建設の完了に向けたコミットメント,並びに,国際協力機構( JICA )及びパートナーとなる日本の大学を通じた日本政府による継続的な支援を改めて表明した。

    18.安倍総理は,日本の知見と経験の共有を通じて,エジプトにおけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ( UHC )の達成に向けた協力を行っていく意思を表明した。

    19.両首脳は,持続的かつ健全な経済発展の実現には,女性の社会的な参画,保護及び能力強化が重要であるとの認識を共有し,そのための協力を促進していくことを確認した。

    20.両首脳は,若手外交官交流の再開を始めとして,青年交流を強化していく積極的な意思を改めて表明した。安倍総理は,「スポーツ・フォー・トゥモロー」プログラムを通じて二国間のスポーツ分野での交流を強化していく意思を表明した。エルシーシ大統領は,これを歓迎し,日本との武道を含むスポーツ交流の強化に期待を表明した。

    21.両首脳は,両国間の幅広い文化交流・協力の強化を決定し,日本語教育の拡充の重要性を確認した。両首脳はカイロ大学日本語・日本文学科創立 40 周年に祝意を表明した。

    22.安倍総理は,東日本大震災後のエジプト政府及び国民からの温かい支援に謝意を表明するとともに,福島第一原子力発電所事故後維持されてきた日本からの輸入産品に対する規制をエジプト政府が今般改訂する決定をしたことを歓迎した。安倍総理はまた,自然災害の脅威への対処においてエジプトを支援するため,日本の防災分野での経験や技術を提供していく意思を表明した。エルシーシ大統領は, 2015 年 3 月に日本の仙台で開催される第 3 回国連防災世界会議へのエジプト政府のハイレベルの参加と緊密な協力を確認した。

    地域と国際社会の平和と安定に向けた協力

    23.双方は,特に中東及びアフリカにおいて,地域及び国際の平和,安定及び繁栄に貢献することの重要性を共有した。この観点から,安倍総理は,国際協調主義に基づく「積極的平和主義」について説明し,エルシーシ大統領は安倍総理からの説明を評価した。双方は,東アジアにおける幅広い安全保障環境について意見交換し,国際法に従ってアジア太平洋地域の平和と安定を維持することの重要性を確認した。

    24.朝鮮半島をめぐる情勢に関し,双方は,六者会合における合意が履行されるべきであるとの点で一致した。双方は,二者間の問題に関する日朝間の対話において進展が得られることへの期待を表明した。エジプトは,できる限り速やかに拉致問題が解決されることの重要性を強調し,この問題に関し引き続き協力を行う意思を表明した。

    25.両首脳は,テロ及び思想的に誘発された暴力は地域と国際社会の平和への脅威となり,経済・社会的発展を著しく妨げているとの認識で一致した。双方は,テロの甚大な惨禍を認識し,世界の安定への脅威が増大していることを強調した。両首脳は,あらゆる形態のテロを強く非難し,全ての国に対し,例外なく全てのテロ組織に積極的かつ効果的に対峙するよう呼びかけた。双方は,過激主義に対応する取組において協力する意思を確認した。この文脈において,安倍総理は, 2015 年 1 月 3 日の預言者聖誕祭の際のエルシーシ大統領による異なる宗教間の寛容及び相互理解への呼びかけを賞賛した。両首脳は,テロ対策に関連する全ての側面において協力を強化することを決意した。(安保理決議,特に安保理決議 2174 号及び 2178 号に基づく。)

    26.安倍総理は,テロとの闘いにおけるエジプトの多大な努力を高く評価した。安倍総理は,国会承認を得て,エジプト当局による国境管理強化のため, UNODC (国連麻薬・犯罪事務所)を通じて約 50 万ドルの新規支援を行う意向を表明した。

    27.双方は,イラクの領土の統一性を維持することの重要性を強調した。双方は,国家統一を回復するためにイラク政府により表明された,宗派・宗教・民族に関わらず全ての国民の権利を維持する政策を賞賛した。

    28.両首脳は, 2012 年 6 月 30 日のジュネーブ・コミュニケに基づいて,流血を終了させ,シリアの独立及び領土保全を維持し,民主的な国家に向けたシリアの人々の希望を満たすシリア危機の政治的解決を奨励していくコミットメントを再確認し,人道状況の改善の重要性を強調した。この目的のため,両首脳は,シリア問題担当国連事務総長特使の努力,並びに国連安全保障理事会決議第 2170 号及び同第 2178 号の実施を目的とした国際的な努力を支援していくことを改めて表明した。

    29.両首脳は,リビア情勢についての懸念を共有し,テロと闘うためあらゆる適切な措置をとり,敵対行為の即時停止と政治的対話を行うことへの呼びかけを支援すると決意した。エルシーシ大統領は, 2014 年 8 月 25 日にカイロで開催されたリビア近隣諸国イニシアティブとともに,先の国会選挙で表明されたリビア国民の政治的意志を尊重し,トブルクの合法的な議会と政府を支持することの重要性を指摘した。両首脳は,この関連での国連特使の努力を賞賛した。

    30.両首脳は,関連する国連安全保障理事会決議に基づく,交渉による,公正,包括的かつ持続的な中東和平の実現と,アラブ和平イニシアティブに基づき,全ての近隣諸国と平和かつ安全に共存する,主権を有し,持続可能で地理的に隣接するパレスチナ国家の樹立を呼びかけた。両首脳は,イスラエルに対し,継続する入植地建設や,東エルサレム及びその聖地の現状を変更する動きを含めいかなる一方的行為も控えるよう求め,双方に対して二国家解決に向けた交渉を継続するよう促した。エルシーシ大統領は,パレスチナ国家は東エルサレムを首都とし, 1967 年 6 月 4 日から占領されている土地に基づくべきであると強調した。安倍総理は,中東和平プロセスにおけるエジプトの役割を賞賛した。

    31.両首脳は,ガザにおける持続的な停戦実現に向けたエジプトの努力は不可欠であり,賞賛されるべきと認識した。更に両首脳は,悲惨な状況に根本的な変化をもたらすためのパレスチナに関するカイロ国際会議でのコミットメントが実行される必要性を強調した。安倍総理は,上記目標を達成するためのエジプトの死活的重要な役割を評価した。エルシーシ大統領は,日本の和平プロセスを支援する役割,特に西岸とガザへの支援を賞賛し,地域の平和と発展に寄与する日本の重要な「平和と繁栄の回廊」イニシアティブへの評価を表明した。

    32.双方は,アフリカの持続可能な経済・社会的発展及び平和と安定に向けた両国間の協力を歓迎し,アフリカで開催される予定である次回 TICAD 首脳会合を含め, TICAD プロセスを通じて協力を継続していく意図を確認した。安倍総理は,国会承認を得て,アフリカの平和と安定に重要な役割を担っている CCCPA (紛争解決・平和維持のためのカイロ地域センター)に対し,約 97 万ドルの新規支援を行う意向を表明した。

    33.双方は,国連安保理改革に関する進展を達成するための協力を継続することで一致した。

    34.双方は,軍縮・不拡散の分野において国際社会により優先事項とされている核軍縮・不拡散の重要性を再確認した。双方は,中東非大量破壊兵器地帯の設置に関する 1995 年の中東決議を含む 1995 年, 2000 年及び 2010 年の核兵器不拡散条約( NPT )運用検討会議における最終文書の実施の重要性を再確認した。この観点から,双方は特に NPT の普遍化を達成する必要性を確認した。双方は,条約の 3 本柱及び地域問題,特に 1995 年の中東決議を進展させる 2015 年 NPT 運用検討会議を有意義なものとするための作業を含め, NPT の原則と目標の促進並びにその完全な履行において協力を継続していく意志を表明した。

    35.双方は,海における法の支配を推進していくことの重要性につき認識を共有した。

    36.エルシーシ大統領は,安倍総理によるシナイ半島に展開しているシナイ半島駐留多国籍監視軍( MFO )にする支援を強化する意向への感謝を表明した。安倍総理は,中東和平プロセスにおいてエジプトが果たしている重要な役割を高く評価した。安倍総理は,国会承認を得て, MFO (シナイ半島駐留多国籍監視軍)に対して,約 104 万ドルの支援を行う意思を表明した。

    37.双方は,ポスト 2015 年開発アジェンダの策定及び気候変動枠組条約第 21 回締約国会議( COP21 )で採択される予定である全ての国が参加する新たな国際枠組の構築に向けた協力を含む,喫緊の地球規模課題に取り組む重要性を認識し , これらの課題に対処するためのさらなる協力を再確認した。

    38.エルシーシ大統領と安倍総理は,二国間の政治対話が熱心かつ有意義なペースで行われていることに完全な満足の意を表し,さらに強化していくことを確認した。この関連で,安倍総理は,エルシーシ大統領に日本を訪問するよう改めて招待し,エルシーシ大統領は 2015 年中に日本を訪問する招待を受け入れた。

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2015年2月
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