2015年 2月号 記事 3面
  • ゆるぎない信念
     安倍政権は「テロリストの要求には応じない」姿勢を貫き、その結果は最悪の結果の映像として発信された。日本人として決して許すことは出来ないことであり、このテロリスト集団にはこの責任を取らせるべきである。

     日本政府が中東に行う支援の 2 億ドルは、難民等の衣食住の為の人道支援であり、これを「日本は十字軍に参加した」と言う、ISILの主張は単なるこじ付けでしかない。この2億ドルが“人道支援”である事は、ISIlが動画サイトに投稿した動画中にも認めている。

     この人道支援の2億ドルや、安倍総理の声明に対し日本のマスコミや、国会議員から「総理の発言がISILの反日感情を生んだ」かの様に批判の声が相次いだ。また中にはこの発言が、「日本人人質事件を生んだ」と言う、的外れな発言までする輩まで出始めた。

     言うまでも無く、安倍総理の声明発表前に、湯川・後藤両氏はISILに拘束されているのであり、総理の発言の有無に関わらずISILは、この2人の命を何らかの形で利用しようとしていた事は間違いない。

     この安倍総理の声明を批判する人達は、2億円の人道支援や安倍総理による「日本・エジプト」の共同声明(全文は2面)そのものに、間違いがあるというのだろうか?批判する人間は「この声明により日本人2人の生命が脅かされた」と言うが、声明自体が間違っているとは言わない。「タイミングが悪い」だの「OOOの部分は必要ない」等という。

     声明自体が正しいのならば、ISILは「正しい事をする者に対するテロ行為」を行っているのであり、総理の発言は非難や批判されるべき物ではない。

     これを非難するものは、テロ組織に日本人が狙われる度に「正しい行いを止めろ」と言うのか?国内で誘拐拉致による人質事件が起こる度に、政府や警察庁に対して「正しい発言」や「正しい行政」を止めろと批判するのか?

     批判を承知で断言するが、日本政府や総理大臣が数名の国民の生命の為に「正しい事」を止める事等あってはならない。それをすれば国内ではもちろんの事、国際社会においても「日本は脅せば屈する国」になってしまう。いかなる状況下においても、日本国総理や行政は「正しい事」を行い「正しい発言、声明」お行うべきであり、「間違っている者」や「間違っている行動」に対しては、毅然とした態度を取らなければならない。それは例え国民の生命財産に関わる事があっても、である。

     この問題を「テロに屈するとかしないとか」に矮小化してしまってはいけない。もちろんテロに屈してはならないが、考えるべき事は「正しいか?正しくないか?」である。

     元外務官僚の「総理の発言のタイミングは最悪である」様な発言は外務省の沽券に関わると言っても過言ではない大失言である。世界各国に駐在する日本大使は、駐在する国にいる日本人の生命が脅かされる度に、日本国総理大臣に「外交上の発言を控える」要請をするのか?そんな事は有り得ないし有ってはならない。前述の元外務官僚は、世界に特に日本国内で注目されているこの事件に乗じて、批判する事で売名行為しているとしか思えない。これは湯川・後藤両氏を侮辱する事に他ならない。

     特に後藤氏さんは現地の子供たちの現状を命がけで報道していて、現地に赴く際にも最悪の時の想定をして「私(後藤さん)に何かあっても全て、私の責任であり、シリアの人の責任ではない」とまで、映像を残している。いわんや日本政府や安倍総理の発言にその責任を求めるような方ではない。後藤さんが殺害されたと思われる直後に、後藤さんの奥さんが発表した声明にも 、「子供たちの目を通して、戦争の悲劇を伝えることが彼の情熱だった」、「イラク、ソマリア、シリアなどの紛争地域の窮状を伝えた夫を、今もこの上なく誇りに思う」、「この困難な数か月間、私たち家族を支えてくれたすべての人に感謝したい」と最後には”謝意“まで示している。

     日本人としてお悔やみを申し上げると共に、後藤健二さんとその奥様や御家族を誇りに思うべきであり、それを後藤健二さんや御家族のご意思と反するように、ここぞとばかりに安倍総理や日本政府を批判するべきではない。

     そもそもISILは国家ではなく武装テロ集団である。その集団が「日本は敵」と言う事に過敏に反応して「敵にならないように・・」等と考える事自体が異常である。

    シリアやイラク(の一部)を侵略し、人質を取る事をビジネスとし、侵略地の油田の原油を密輸し、現地の女性を奴隷にしている集団で、国際社会の敵である事は多くの国が表明している。日本は国際社会の一員となるか、ISILを支持するか、無関係を装うかの 3 つの選択肢のどれかを選ぶしかない。ISILを支持する事等ありえない。無関係で居ようとする事は、国際社会と無関係でいようとする事に他ならない。

     武装テロ集団を否定する以上、ISILは国際社会の敵であり、それはすなわち日本の敵である。こちらがどう思おうとISILにとっては、“敵の味方は敵”なのである。ましてや自国民二名を殺害した(と思われる)集団を、「敵」として扱わないこと等ありえない。

     日本はISILを敵として戦うべきである。但し日本が出来る戦いは限られている。人道支援などを行い、ISILの敵=国際社会を支持し日本国憲法の範囲内で協力する事しか出来ない。出来る事は限られていても、それをゆるぎない信念でやり続ける事が、日本が出来るISILとの戦いではないだろうか?

初めての方へ 記事をご覧になる前に是非一度、ご一読下さい。

2015年2月
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